オートターゲティングのキーワードをマニュアルターゲティングで使う

Amazon広告では、スポンサープロダクト広告のオートターゲティングの配信データを分析することで、売れる可能性の高い検索キーワードを抽出することが可能です。
その検索キーワードをマニュアルターゲティングによって手動で広告運用をすることで、広告商品の売上アップを狙います。
スポンサープロダクト広告とは
スポンサープロダクト広告とは、キーワードまたは商品をターゲットにし、Amazon内の検索結果や商品詳細ページに商品アイコンを表示させることのできる広告です。
Amazon内の広告表示場所例はこちらです。
広告配信商品に類似した商品を検索しているユーザーに表示されるので、広告商品を知らない潜在顧客に対して広告を表示させることができます。
オートターゲティングとマニュアルターゲティングの違い
スポンサープロダクト広告には、「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング」の2種類のターゲティング設定があります。
オートターゲティングは、Amazonのシステムによる自動運用
Amazonのシステムに全自動で運用を任せることができるのがオートターゲティングの特徴です。
広告を表示させる検索キーワードや商品ページをAmazonのシステムが自動で選定してくれるため、手動で運用をする必要がありません。
広告費を増加させれば増加させるほど、入札単価を上げれば上げるほど、次々に新しい検索キーワードや類似商品の商品ページに自動で広告を表示してくれるため、広告商品のインプレッションを伸ばしたい場合や、売れる可能性の高い検索キーワードを見極めたい場合に有効なターゲティング設定です。
マニュアルターゲティングは、運用担当者が検索キーワードや類似商品を選定する必要がある手動運用
Amazonのシステムに運用を任せることなく、手動で運用できるのがマニュアルターゲティングの特徴です。
広告を出稿する検索キーワードや商品ページを運用担当者が手動で設定します。広告が表示される検索キーワードや商品ページを運用担当者が厳密にコントロールすることができます。
特定の検索キーワードに対して広告費を投下したり、特定の商品ページのみに広告を表示させたりすることができるので、次のような場合に有効なターゲティング設定です。
①特定の検索キーワードや特定の商品ページのみに広告を表示させて売上を伸ばしたい場合
②特定の検索キーワードや特定の商品ページのみに広告を表示させて売上高広告費比率(ACOS)(※)を下げたい場合
特定の検索キーワードや、特定の商品ページをターゲットにして広告を表示させたい場合にマニュアルターゲティングを活用すると良いでしょう。
売れている商品をさらに売り伸ばし、売上や売上高広告費比率(ACOS)を改善させたい場合に有効なターゲティング設定です。
※ACOSとは、「Advertising Cost of Sale」の頭文字を取ったものであり、広告宣伝に売上のどれだけを投じたか(投じるか)を知るための指標になります。
ACOS (売上高広告費比率)(%)= 広告宣伝費 ÷ 売上高 × 100
ACOSが小さければ小さいほど、広告宣伝費に対して効率的に売上を上げることができているということになります。
オートターゲティングの検索キーワードデータを分析し、売れる可能性の高い検索キーワードを抽出する
オートターゲティングの過去の配信結果を分析することで、どの検索キーワード経由で商品が売れているのかを特定することができます。
過去一定期間における広告配信結果は、「検索キーワードレポート」より抽出することができます。
検索キーワードレポートをダウンロードするには、アカウント管理画面を開き、「レポート」をクリックします。
次の画面では、「レポートを作成」をクリックします。
レポートダウンロード画面では、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告のどちらの広告の検索キーワードレポートをダウンロードするのかを選択します。
今回は「スポンサープロダクト広告」を選択し、レポートタイプは「検索ワード」、集計単位は「合計」、データの期間は「過去30日間」を選択します。
「レポートを実行」をクリックすると、検索キーワードレポートデータが記載されているエクセルファイルがダウンロードされます。
レポートでは、カスタマーの検索キーワードごとのインプレッション、クリック数、CTR、クリック単価、売上、売上高広告費比率、ROASなどの主要指標を確認することができます。
その中で、「広告がクリックされてから14日間の総売上高」を降順(売上が大きい順)に並べ替えます。
こうした検索キーワードは、カスタマーが広告をクリックして広告費が消化され、売上が発生している検索キーワードです。
過去一定期間において広告経由で売上が一定数発生しているということは、今後もこれらの検索キーワード経由で売上が発生する可能性が高いです。
こうした検索キーワードをオートターゲティングだけでなく、マニュアルターゲティングでも配信設定することにより、売上アップを狙います。
抽出した検索キーワードをマニュアルターゲティングに活用する
検索キーワードレポートを分析することにより、過去一定期間において売上の大きい検索キーワード群を抽出することができたら、それらの検索キーワードをマニュアルターゲティングでも配信します。
オートターゲティングのみの広告配信では検索キーワードごとのCPC(入札額)を設定することができず、Amazonによる自動運用であるため、競合商品に入札単価で競り負けている可能性があります。
マニュアルターゲティングを活用し、売れている検索キーワードに対して個別で入札額を設定することで広告表示機会の損失を解消し、売上アップを狙います。
スポンサープロダクトキャンペーン作成画面にて、「マニュアルターゲティング」を選択します。(キャンペーン名や予算などその他の設定は任意)
ターゲティングは「キーワードターゲティング」を選択します。
検索キーワードレポートより抽出した検索キーワードを入力します。
入札額に関しては推奨入札額よりも高めに設定するのが望ましいです。過去に売上が大きかった、今後も売れる可能性の高いキーワードのみを入力しているので、入札単価で競合と競り負けないようにするためです。
Amazonから推奨される推奨入札額内で最大の数値を設定すると良いでしょう。
抽出した検索キーワードをマニュアルターゲティングで配信設定することで、広告商品の売上やACOS(売上高広告費比率)を改善できる
オートターゲティングの過去配信結果から抽出した検索キーワードのマニュアルターゲティング設定は、どの数値を改善したい場合でも有効な施策です。
1.売上を伸ばしたい場合
→売上が大きい検索キーワードを抽出
2.ACOS(売上高広告費比率)を改善したい場合
→ACOS売上高広告費比率)が低い検索キーワードを抽出
3.クリック数を伸ばしたい場合
→クリック数が多い検索キーワードを抽出
など、改善させたい数値によって抽出すべき検索キーワードの指標を変更することで、目的に合わせた検索キーワードを抽出することができます。
それでも、過去の配信データがあまりにも少なすぎる場合は信憑性の高いデータを抽出することが困難なため、オートターゲティングで少なくとも1ヶ月間程度は広告配信を継続していることが望ましいです。
広告配信を開始して既に1ヶ月以上が経過している場合に、売上アップやACOS(売上高広告費比率)の改善、クリック数の増加やCVRの上昇などを目的としてオートターゲティングの過去配信データを参考にしてください。
●検索キーワードレポートを分析することで、売れる可能性の高い検索キーワードデータを抽出することが可能です
●抽出した検索キーワードをマニュアルターゲティングでも配信をすることで、広告表示機会の損失を解消し、売上アップを狙うことができる
●マニュアルターゲティングでのキーワード入札額は、推奨入札額よりも高めに設定しておくのが望ましい(入札単価で競合と競り負けないようにするため)
●オートターゲティングの過去配信結果から抽出した検索キーワードのマニュアルターゲティング設定は、どの数値を改善したい場合でも有効な施策